Apple Intelligence のワークショップに参加して想像した“ちょっと先の未来”
夜な夜な自分だけの小説を作ってもらうことはもはや可能な時代

「Apple(アップル)」が発表したAI機能“Apple Intelligence”が、ついに日本語にも対応。対応機種であればMacやiPhone、iPadでいち早く体験できるようになった。とはいえ、MacはM1チップ以降、iPhoneは15 Pro以降と比較的新しいモデルのみ対応している点には要注意だ。
そんな“Apple Intelligence”の実装を記念して、「Apple」が一部インフルエンサー向けにワークショップを開催。筆者もこの場に参加し、短時間ながらその実力を体感することができた。
とくに印象的だったのが「メモ」アプリを使った作文ツール体験だ。参加者4人でのセッションでは、お題の書かれたくじを引き、それをもとにストーリーを生成するというもの。筆者が引いたのは「科学の実験をしている」「パンダ」というワード。ここで使ったのが、メモアプリ内の右下にある“Apple Intelligence”ボタンだ。ここからChatGPTとの連携機能を呼び出し、2つのキーワードをもとに「学びのある」「ユニークな」ストーリーを書いてほしいと作文ツールで指示。生成されたのが、以下のような一編だった。
タイトル: 科学パンダ・パン助の大発明と大切な教訓
ある日、竹林の奥深くに住む好奇心旺盛なパンダ、パン助がいました。パン助は普通のパンダとは少し違って、竹を食べるだけでなく、科学実験が大好きでした。彼の秘密の研究室には、ビーカーや試験管、色とりどりの薬品がずらりと並んでいます。
パン助の夢は、「無限に成長する竹」を作ること。ある日、特別な肥料を開発するため、竹のエキスに謎の青い液体を加えてみました。しかし、計算ミスに気づかず、結果は…ドカーン!と小さな爆発が起こり、パン助は顔中がすすだらけに。
パン助は少し落ち込みました。「また失敗か…」でも、彼はすぐに考え直しました。「失敗は学ぶチャンス!」と。
落ち着いて観察すると、実験失敗から生まれたのは、普通の竹ではなく、空に向かってどんどん伸びる「ジャンプ竹」!しかも、この竹に触れると、パン助は驚くほど高くジャンプできるようになったのです。
村の動物たちは、パン助の大発明を見て大喜び。ジャンプ竹のおかげで、木の上の果物を簡単に取れるようになり、森の生活が便利になりました。
パン助はにっこり笑って言いました。
「失敗は、ただの終わりじゃない。そこから新しい発見が生まれるんだ!」
そして今日もパン助は、新しい面白い発明に挑戦し続けています。彼が大切にしているのは、成功以上に、失敗から学ぶことなのです。
──このストーリーは、同グループ4人から笑いも取った。ちなみに、冒頭の画像にある「実験中のパンダ」も、このストーリーをもとに“Apple Intelligence”で数秒で生成したものだ。
で、こうしたテキスト生成とビジュアル生成の連携は、例えば「好きな人」とか「嫌いな友達」とか「家族」を登場させたストーリーを作ったりも簡単にできるはず。そう、もういつ何時も、自分だけの物語を生成してくれるのだ。ん? ちょっと待てよ。さらに妄想を広げれば、自分好みの脚本を“Apple Intelligence”に書かせて、(将来的に)それを映像で生成させることができれば、“個人の映画”を誰でも一瞬で作れるようなるはず。そんな未来がそう遠くないと感じたワークショップだった。